2016.10.24 | ニュース

卵とピーナッツは早めに食べさせるとアレルギーになりにくい

文献の調査から

from JAMA

卵とピーナッツは早めに食べさせるとアレルギーになりにくいの写真

卵やピーナッツはアレルギーを起こしやすい食品です。赤ちゃんに食べさせるのは心配になりますが、積極的に食べさせるとむしろアレルギーを防げるのではないかという説もあります。これまでに報告されている研究結果がまとめられました。

ここで紹介する研究は、文献を集める方法で、乳児にアレルギーを起こしやすい食品を食べさせる時期とアレルギーの関係を調べています。

これまでに赤ちゃんに実際に食べさせて効果を見た研究と、家庭に任せて統計的に調べた研究の報告を集めました。

 

見つかった研究報告を統合し、次の結果が得られました。

生後4か月から6か月という早い時期から卵を食べさせることが、卵アレルギーの減少と関連する(リスク比0.56、95%信頼区間0.36-0.87、I2=36%、P=0.009)という、中等度の確かさの証拠が5件の試験(参加者1,915人)から得られた。

生後4か月から11か月の早い時期にピーナッツを食べさせることがピーナッツアレルギーの減少に関連する(リスク比0.29、95%信頼区間0.11-0.74、I2=66%、P=0.009)という中等度の確かさの証拠が2件の試験(1,550人の参加者)から得られた。

卵を生後4か月から6か月の間にはじめて食べさせた子どもで、卵アレルギーが少なくなっていると見られました。

ピーナッツを生後4か月から11か月の間にはじめて食べさせた子どもで、ピーナッツアレルギーが少なくなっていると見られました。

 

アレルギーをただ怖がるよりも、卵とピーナッツは早めに試してみてもいいのかもしれません。

ただし、予防効果があるかどうかにかかわらず、卵とピーナッツはもともとアレルギーを起こしやすい食べ物です。はじめて食べさせるときは体の様子をよく観察する、もし何かあればすぐ小児科に行けるようにしておく、蕁麻疹(じんましん)などアレルギーの症状が現れたら急いで相談に行くなどの対処は必要です。特に、ピーナッツはのどに詰まりやすいので、3歳ぐらいまではナッツの形のまま与えるのはおすすめできません。

アレルギーのリスクとうまく付き合いながら、子どもが食べるものを豊かにしてあげてください。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Timing of Allergenic Food Introduction to the Infant Diet and Risk of Allergic or Autoimmune Disease: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2016 Sep 20.

[PMID: 27654604]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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