2016.03.30 | コラム

明日は健康診断なのに食べ過ぎ・飲み過ぎ…検査に影響は?

暴飲暴食で影響を受けやすい検査項目
明日は健康診断なのに食べ過ぎ・飲み過ぎ…検査に影響は?の写真
(C) cassis - Fotolia.com

4月になると歓迎会が増えます。健康診断(健診)も控えているのに、ついつい楽しくなって羽目を外してしまったという経験はありませんか?わかっちゃいるけどやめられない。これってどのくらい体に影響があるのかを考えてみましょう。

◆健診とは? 

特定の疾患がないかを見つける検診(例:がん検診)とは違って、健診は健康かどうかをチェックするものです。そのため、身体の全体的な状態を調べる一般的な検査項目で構成されています。

 

◆健診で調べている項目から何がわかるの?

具体的には以下が検査項目になります。(但し、医師の裁量でいくつか省略は可能です。)

 

表1 健診の検査項目

 ・既往歴(過去に罹った病気)及び業務歴
 ・自覚症状や他覚症状の有無
 ・身長・体重・腹囲・視力・聴力検査
 ・胸部X線検査及び喀痰検査
 ・血圧測定
 ・貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン
 ・肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
 ・血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪
 ・血糖検査
 ・心電図検査
 ・尿検査(尿糖及び尿蛋白)

これらの項目はいずれも、「これが異常ならこの病気だ」といった病気を特定する項目ではありません。しかし、身体の状態を大まかに調べるのには向いている検査です。また、病気があればその臓器をおおよそ絞ることも可能です。

例えば、貧血があった場合は、原因は鉄の欠乏であったり、消化管(胃癌大腸癌等)が存在したり、月経過多の影響だったり色々と考えられます。健診では、まず異常の有無を確認し、異常があればさらに進んだ検査を段取りすることが目標になります。

初めから進んだ検査をすればいいじゃないかとお思いの方もいるとは思います。進んだ検査の例として、腫瘍マーカー細胞診検査(細胞を採取して顕微鏡で調べる)・CT検査・PET検査等が考えらますが、これらを用いて診断をつけるのに、得意な分野もあれば苦手な分野もあるのが現状です。以下に一般的な特徴をまとめてみます。

 

表2 検査の特徴の違い

 

一般的な検査

進んだ検査

コスト

安い

高い

負担

軽い

重い

行える施設

多い

少ない

疾患を特定する力

あまり優れていない

比較的優れている

疾患を除外する力

比較的優れている

検査によって様々

これらの特徴を踏まえますと、あまり病気を疑っていない方には、まず一般的な検査を行うことの価値が高いものになります。

 

◆健診なのに暴飲暴食しちゃった

さて、ここまで健診についてご説明しましたので本題に入ります。健診の注意事項に「検査当日の食事を抜いてください」や「前日の夜から絶食として下さい」と書いてあります。これには食事の影響を受けずに体の状態を把握する目的があるのです。しかし、前日に暴飲暴食をしてしまった場合は、検査にどんな影響が出るでしょうか?

特に影響を受けやすい検査は、肝機能・中性脂肪・血糖値でしょう。例えば、脂肪の多いものを食べると中性脂肪が上昇したり、飲酒をすると肝機能に異常が出るように、これらの項目は食べたものやアルコールの影響を速やかに受けるので注意が必要です。そのため、くれぐれも検査前の暴飲暴食は控えてください。ただ、どうしても検査前に暴飲暴食してしまった方は、結果説明の際には暴飲暴食の旨をおっしゃってください。一時的な検査項目の悪化であれば、他の項目と照らし合わせて総合的に判断することとなります。しかし、何度も暴飲暴食を繰り返すと経過がわからなくなりますし、何よりも本格的に健康を害する可能性が高くなります。

また、血糖値は直前の食事摂取によって変動しやすい一方で、HbA1cという直前の食事摂取の影響を受けにくい検査があります。これは1−2か月の血糖値の平均を反映すると言われていますので、直前の暴飲暴食の影響はあまり受けません。健診では、このような身体の長期的な様子と直近の様子を照らし合わせながら身体の状態を見ていくことになります。

 

最後に、今までのお話を逆手に取って前日(或いはその数日前)から節制して健診の結果を良くしようということはやめてくださいね。健診の狙いは健康状態の把握と病気の早期発見ですので、どうか素のあなたで臨んでください。健診をきちんと受けることで、あなたの未来の健康が変わってくるのです。

 

執筆者

園田 唯

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事