2016.03.27 | コラム

その症状は大人のADHD!?成人期にはじめてみつかるADHD/ADDの症状とは?

誰にでも起こる問題と不適応
その症状は大人のADHD!?成人期にはじめてみつかるADHD/ADDの症状とは?の写真
(C) japolia - Fotolia.com

近年、成人になってから、注意、集中力が長続きしない、多動、衝動といったADHD(注意欠陥多動性障害) / ADD (注意欠陥障害)に特徴的な症状があらわれるケースが見られます。 なぜおとなのADHDが増えているのでしょうか?

子供の場合、20年、30年前に比べて発達障害と診断される絶対数は増えていると言われています。医療機関受診率の増加による発見数の増加もありますが、子供が胎児のときに母親の飲酒や喫煙などによって化学物質にさらされることで、神経発育上の問題が起こっているとも言われています。

おとなの場合にも、発達障害と診断される人の数は増えています。疾患啓発やインターネット上のスクリーニングテストにより、急速に発達障害という考えが広まってきていることが一つの理由でしょう。

発達障害全体の診断数が増えるのに伴って、ADHDの診断数も増えています。

 

不注意、集中力が続かない、衝動、といった症状が知られていますが、これらは実は誰にでも起こりうる症状です。

うっかり忘れ物をすることは誰でもあることですし、疲れてきて集中力が落ちてミスをすることもあるでしょう。

衝動買いをしてしまうことだって珍しくありません。これらを医学的に表現すると、不注意、衝動などとなってしまいます。

しかし、それが毎日なのか、週に1回なのか、月に1回なのか、なくすのが小さなメモやボールペンなのか財布や携帯電話なのか、つまり程度の違いがあることで、医学的な症状と呼べるかどうかが決まります。そこには明確な線引きはありません。

唯一明確な基準はそのことで社会生活上困るのか、仕事や家庭生活に大きな支障があるのかどうか、ということです。

ADHDのチェックリストには、「食事中、わき見をしたり席を離れたりする」「早口でしゃべる」などという項目があります。

ADHDで起こる問題は誰にでも起こる問題の、程度や頻度が極端なものです。ですので、定型発達(発達障害にあたらない)の方でも一つ一つの質問を見れば当てはまるものがいくつかあってもおかしくありません。

この頻度や程度が顕著で、困る場面が多い、ということが問題になります。

 

この頻度や程度が大きなものであればADHD傾向や特性を持っているということになります。これは生まれ持っているものです。

そしてADHDによる障害というのは、そういった傾向や特性が原因で、今置かれている環境への社会的な不適応が起こって困りごとがある、という状況です。

ですので、成人になってみつかるADHDというのは、もともとそういった傾向、特性を持っていたが、これまでは社会的な問題が起こっていなかった人が、 なんらかの事情で不適応を引き起こす状況に陥って自身や周囲が困っている、ということにほかなりません。

 

家事の問題 : 料理が苦手、片付けができない、お金の管理ができない

ADHDの方は料理が苦手であったり、冷蔵庫の中身を腐らせてしまったりします。これは「情報の選択的統合」という、情報を取捨選択することがうまくできないことに起因していることが多いです。

片付けができないのも同様で、自分にとって大切なもの、捨てても良いもの、という分類や選択ができないのです。

お金の管理をすることができない場合は、見通しを立てる力が弱いことに起因します。1ヶ月、1週間など管理ができる期間でのお金の使用範囲を決めずに生活していることが多いです。目標を立てていても、長すぎる期間や高すぎる目標だったりしても守れないです。

「今月は節約しよう」ではなく「今週は1万円で生活しよう」と具体的に、達成できる小さな目標で考えて振舞うことが大切です。

 

業務上の問題 : 大事な用事をメモをしないとすぐに忘れてしまう、人に呼ばれていてもわからない、複数のことを同時にこなせない

ADHDでは、ワーキングメモリが弱く、頭の中で覚えておいたり、複数のことを並行してこなすのが苦手な方が多いです。

また、注意が分散、低下していて、集団の中で呼びかけられても自分に向けられた指示に注意を向けられない場合もあります。

こういった問題は子供時代に学校での集団の中でも存在した可能性がありますが、目立った問題がなければ、周囲から注目されずやりすごしていた可能性があります。

学生時代は「天然」と言われて愛されたキャラクターで、アルバイト時代は助けてくれる人がいても、正社員になったり、昇進して責任のある仕事をするようになるとトラブルが増えてきて、うまく適応ができなくなってくる。

そうすると、もともと問題なくできていた作業も、たくさんの作業に埋もれてミスがでてしまう、引き受けたのにやりきれずにできていないことを責められるということが増え、さらに不適応が悪化します。

 

こういったADHDの特徴というのは、定型発達の人でも見られる問題の延長線上にあります。うつ状態などでも不注意や記憶力の低下などが見られることがあります。

大切なのはまず頻度や程度、そしてそれによって起こっている不適応の状況を正しく評価することと、それが持って生まれた特性に起因しているかどうかと分析することです。

そのためには、ある程度の情報収集をした上で、その情報を持って医療機関で専門家の診断を受けることが大切です。

執筆者

来田 誠

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事