2016.03.28 | ニュース

学年末に生まれた子どもはADHDが多い?

4歳から17歳の診断頻度を調査
from The Journal of pediatrics
学年末に生まれた子どもはADHDが多い?の写真
(C) Jasmin Merdan - Fotolia.com

同じ学年の子どもでも、誕生月によって月齢の差ができ、体格などに違いが出ます。子どもに多い注意欠陥・多動性障害(ADHD)の頻度にも関連が見られたことが報告されました。

◆台湾の子ども、学年初生まれと学年末生まれの違いは?

この研究は、台湾のデータベースを解析する方法で行われました。

4歳から17歳の子ども378,881人のデータが対象となりました。そのうちで、台湾の学年の区切りにあたる8月生まれ(学年の中で一番若い)と9月生まれ(学年の中で一番月齢が上)の子どもを比較して、ADHDと診断される頻度、またADHDの治療を受ける頻度に違いがあるかが検討されました。

 

◆学年末生まれだとADHDの診断が多い

次の結果が得られました。

8月に生まれた男の子も女の子も、9月に生まれた男の子・女の子と比べると、ADHDと診断されるリスクが高く(オッズ比1.63、95%信頼区間1.45-1.84、オッズ比1.71、95%信頼区間1.36-2.15)、ADHDの薬物治療を受けることも多かった(オッズ比1.76、95%信頼区間1.53-2.02、オッズ比1.65、95%信頼区間1.26-2.18)。

男の子でも、女の子でも、8月生まれのほうが9月生まれよりもADHDと診断されることが多く、ADHDの薬による治療を受けることも多くなっていました

研究班は「この結果は、ADHDを診断し、ADHD治療のために薬品を処方するときには、子どもの学年の中での月齢を考えることの重要さを強調する」と述べています。

 

日本で言うと3月生まれにあたる学年末生まれ、つまり学年の中で一番月齢が低い子どもが多くADHDと診断されているという結果でした。

この結果は、誕生月によって病気の頻度が違うことを示しているのでしょうか?

月齢が低い子どもは周りの子どもに比べると行動にも幼い特徴があるかもしれません。そのことが、ADHDの症状とみなされるほどの生活上の困難を実際に引き起こしたり、あるいはそれほど深刻な状態でなかったとしても診断する医師の目にADHDらしく写るといった影響はないでしょうか。

この結果だけでは統計的な差が出た原因までは特定できませんが、気になる報告です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Influence of Relative Age on Diagnosis and Treatment of Attention-Deficit Hyperactivity Disorder in Taiwanese Children.

J Pediatr. 2016 Mar 2. [Epub ahead of print]

[PMID: 26973148]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。