◆運動を観察することによる痛みの変化は
2014年8月までの質の高い文献を調査しました。複合性局所疼痛症候群や幻肢痛、脳卒中後の痛みに対して、ミラーセラピー(鏡越しに麻痺していない手の動きを観察し、麻痺した手が動いていると錯覚させる方法)や実際に行う運動をイメージする方法、運動を観察する方法で痛みが減っているのか、身体機能、生活の質が調査されました。
◆運動を観察する方法で痛みが減った
以下の結果が得られました。
全体的に運動観察治療は痛みの軽減(標準化平均値差=−0.82、95%信頼区間、-1.32から-0.31、P=0.001)と、身体障害(標準化平均値差=0.72、 95%信頼区間、0.22-1.22、P=0.004)の軽減に有効であることが見出された[...]。
運動を観察する方法を全体として見ると、複合性局所疼痛症候群や幻肢痛、脳卒中後の痛みが軽減し、身体の障害も軽減する効果が現れていました。
ミラーセラピーや運動をイメージする方法で神経に関連する痛みが減るという結果が得られました。何の治療がどのような痛みに有効なのか、もう少し詳しく調べる必要がありそうです。
執筆者
The Efficacy of Movement Representation Techniques for Treatment of Limb Pain-A Systematic Review and Meta-Analysis.
J Pain. 2016 Feb.
[PMID: 26552501]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。