2016.03.04 | ニュース

乳がんの手術のあと、回復が早かった人の特徴

手術を受けた220人の調査から

from BMJ open

乳がんの手術のあと、回復が早かった人の特徴の写真

大きな手術を受けたあとでは体力が落ちます。乳がんの手術のあとのケアについても、回復を促すために多くの研究がなされています。手術前の状態によって、回復の度合いに違いが見られたことが報告されました。

◆手術前後の身体活動を調査

この研究は、乳がんの手術を受ける予定の人220人を対象にしました。手術前と手術後3週間、手術後6週間に、アンケートを使って身体活動の量などを対象者本人から聞き取りました。

 

◆手術前に活動的だった人の回復が早い

次の結果が得られました。

術前の自己評価では、参加者の14%(220人中31人)が身体的に活動的でなく、61%(220人中135人)はいくらかの軽い身体活動をし、20%(220人中43人)はより活動的(レベル3と4の計)だった。

より活動的な参加者(レベル3または4)は、手術後3週時点で身体的に回復したと感じている割合が85%多かった(リスク比1.85、1.20-2.85)。6週後には差は見られなかった。

手術前に身体活動が活発だった20%の人では、手術後3週間で身体的に回復したと感じる人の割合が大きくなっていました。

 

手術後の回復を促すため、体を動かすリハビリテーションなどさまざまな方法が探られています。ここでは、もともとの活動量も回復の度合いに関係するという結果が出ました。万一のときに備える意味でも、日頃から活動量を保つことはよいことなのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Is preoperative physical activity related to post-surgery recovery? A cohort study of patients with breast cancer.

BMJ Open. 2016 Jan 14.

[PMID: 26769776]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る