◆繊維の粉塵は関節リウマチに関係するか?
研究班は、マレーシアの調査データを使い、女性で早期の関節リウマチを診断された人910人と、年齢が一致するように選んだ健康な女性910人を対象として、職業環境との関係を統計解析により調べました。
繊維の粉塵に触れる環境で働いていたことがある場合とない場合で、関節リウマチの頻度に違いがあるかを検討しました。
◆繊維の粉塵に触れた人で関節リウマチが多い
次の結果が得られました。
繊維粉塵への職業曝露は、マレーシアの女性の集団で関節リウマチのリスク増加と有意に関連した(オッズ比2.8、95%信頼区間1.6-5.2)。
繊維の粉塵に触れる環境で働いたことがある人のほうが、ない人よりも関節リウマチの頻度が多くなっていました。
病気のリスクに関わる職業では、予防のため換気などの環境を整える策が勧められます。関節リウマチと環境の間に因果関係があるかどうかをよりはっきりと確かめ、効果的な予防につなげるために、考えられるほかの要因を含めた検討が待たれます。
執筆者
Occupational exposure to textile dust increases the risk of rheumatoid arthritis: results from a Malaysian population-based case–control study.
Ann Rheum Dis. 2015 Dec 17.
[PMID: 26681695] http://ard.bmj.com/content/early/2015/11/08/annrheumdis-2015-208278.full※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。