2016.02.12 | ニュース

肥満外科手術は骨折を増やす?

台湾での調査から
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肥満外科手術は骨折を増やす?の写真
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肥満外科手術は胃の容量を減らすなどの方法で食べられる量を減らす手術で、病的肥満の治療として非常に効果があります。ですが骨折に関してはネガティブに作用する可能性が指摘されており、著者らは台湾における骨折リスク調査を行いました。

◆7,091名を対象に骨折診断を追跡調査

著者らは台湾の資料を用いて、2001から2009年に肥満外科手術を受けた患者2,064名、および手術を受けていない5,027名の肥満患者を対象にしました。2012年12月31日までの対象者に関し、骨折診断の追跡調査を行いました。

 

◆肥満外科手術を行うと骨折リスクが増加

著者らは以下の結果を得ました。

12年間の調査期間を終えるまで、肥満外科手術群での骨折は183件であった(平均追跡期間は4.8年)一方、対照群での骨折は374件であった(平均追跡期間は4.9年)。全体として対照群と比べて肥満外科手術群における骨折リスクは、有意に1.21倍増加した(95%信頼区間は1.02から1.43)。

つまり肥満外科手術が、骨折リスクを高める結果になりました。著者らは更に5年間での年ごとの骨折リスクも計算し、手術後1年から2年後が、骨折リスクを高める時期である事を見出しています。

著者らは、「肥満外科手術は[...]有意に骨折リスク増加と関連していた」と述べています。

 

肥満が解消して脂肪細胞が減ったなら、同じ幹細胞由来の骨を作る骨芽細胞が増えそうなものですが、そうはならないようです。骨は物理的負荷がかかると太くなるため、肥満解消に伴う体重低下が骨の強度を減らす可能性があります。その他消化吸収を悪くする事で骨を作る何らかの物質が減る可能性、減量による行動の変化に伴う効果の可能性も考えられますが、いずれにしても更なる調査が必要に感じます。

執筆者

高田

参考文献

Fracture Risk After Bariatric Surgery: A 12-Year Nationwide Cohort Study.

Medicine (Baltimore). 2015 Dec.

[PMID: 26632892]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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