2015.10.04 | ニュース

減量手術と薬、糖尿病に効くのはどっち?

イタリアで60人のランダム化試験
from Lancet (London, England)
減量手術と薬、糖尿病に効くのはどっち?の写真
(C) benschonewille - Fotolia.com

肥満はさまざまな病気の原因になります。食事療法や運動療法でも十分に減量できない場合、減量手術で治療されることがあります。2型糖尿病と肥満がある患者が減量手術を受けたとき、5年後まで血糖値を抑える効果を薬の治療と比べる研究が行われました。

◆BMI35以上で2型糖尿病の人が対象

この研究では、イタリアでBMI(体重÷身長の2乗)が35以上、かつ2型糖尿病の診断を受けている人60人が対象となり、減量手術を受けるグループと、薬物治療を受けるグループにランダムに分けられました。

それぞれの治療のあと5年の時点で、糖尿病の指標であるHbA1cまたは血糖値が健康な人の水準以下になった人の割合が比較されました。

 

◆手術で糖尿病改善

次の結果が得られました。

全体で、手術を受けた患者38人のうち19人(50%)が5年後にも糖尿病からの寛解を維持していた(19人のうち7人[37%]が胃バイパス群、12人[63%]が胆膵路転換手術群)。対して、薬物治療を受けた患者15人のうちには一人もいなかった(P=0.0007)。

糖尿病の主要な合併症が5件(うち1件は致死的心筋梗塞)、薬物治療群の患者4人(27%)に対して胃バイパス群では1人にだけ発生し、胆膵路転換手術群には発生しなかった。手術群に長期合併症や死亡の例はなかった。栄養学的副作用が主に胆膵路転換手術のあとで見られた。

手術を受けた人では半数で検査値が正常範囲に抑えられていましたが、薬物治療を受けた人では正常範囲まで下がった人はいませんでした

心筋梗塞による死亡など、糖尿病によって起こる重要な病気が薬物治療を受けた人では4人に発生しましたが、手術を受けた人では1人だけでした。

研究班は「2型糖尿病のある肥満患者の長期コントロールのために、薬物治療よりも手術が有効であり、手術はこの疾患の治療アルゴリズムにおいて考慮されるべきである」と結論しています。

 

減量手術は気軽に受けられる治療ではありませんが、長期的に体重を抑える効果などが知られています。この結果も、減量手術のよい点を示唆する情報として参考にできるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Bariatric-metabolic surgery versus conventional medical treatment in obese patients with type 2 diabetes: 5 year follow-up of an open-label, single-centre, randomised controlled trial.

Lancet. 2015 Sep 5

[PMID: 26369473]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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