2016.02.10 | ニュース

1日1個リンゴを食べると寿命が延びる?

女性高齢者を対象にして検証

from The British journal of nutrition

1日1個リンゴを食べると寿命が延びる?の写真

果物を食べることは健康的な食生活を送るうえで重要です。特定の果物が死亡率に変化をもたらすかが調べられました。

◆リンゴと死亡率の関係

今回の研究では70歳を超える女性1,456人が対象となりました。研究者は15年の間、対象者を追跡したデータを使い、全体としての死亡率、また、特定の病気による死亡率の調査などを行いました。果物(リンゴ)の摂取量は食事頻度調査アンケートで調べられました。これらのデータが集められ統計解析が行われました。

 

◆リンゴを食べると死亡率が減少

次の結果が得られました。

多変量調整後の分析で、リンゴの摂取量が5グラム/日未満(Pトレンド=0.03)に比べて、標準偏差が(53グラム/日)増えるごとに、すべての原因による死亡のハザード比は0.89 (95% 信頼区間 0.81、0.97)、リンゴの摂取量が5-100グラム/日の場合、ハザード比は0.80(95% 信頼区間 0.65、0.98)、リンゴの摂取量が100グラム(1日リンゴ1個分)を超えるとハザード比は0.65(95% 信頼区間 0.48、0.89)だった。

高い果物合計摂取量とバナナの摂取量は心血管疾患による死亡リスクが低いことに関連していた(P<0.05)。

リンゴを食べる量が多いと死亡率が減り、1日1個のリンゴに相当する100gを食べる人は、5g未満の人に比べて死亡率が65%の水準だったということが報告されました。また、バナナを食べる量、果物全体を食べる量が多い人は心筋梗塞や脳卒中などによる死亡リスクが低いという結果も報告されました。

 

健康的な生活を取るためには、バランスの取れた食事を取ることは大切です。今回の研究では、対象者の中に70歳以下は含まれませんでした。また、死亡の原因には様々な要因があり、健康的な生活を送るには運動なども大切なため、リンゴだけで死亡率の減少を説明するには限界があります。

しかし、バランスの取れた食事を取るうえで果物を取る事は大切です、リンゴを食べる事は健康的な生活を送るために意味があるかもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Apple intake is inversely associated with all-cause and disease-specific mortality in elderly women.

Br J Nutr. 2016 Jan [Epub ahead of print]

[PMID: 26787402]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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