腰痛症から仕事に復帰することに、職種が関係している?

腰痛症は、重症化すると仕事を休まなければならないほど、日常生活に影響する病気です。今回の研究では、腰痛持ちの医療従事者と非医療従事者を対象に、仕事への復帰に関連する要因を検証しました。
◆医療従事者を2年間追跡調査
今回の研究では、リハビリテーションと職業介入を行っていて、腰痛症を持つ医療従事者99人と非医療従事者118人の合わせて217人を対象に、仕事への復帰に関連する要因を検証しました。
◆医療従事者は仕事復帰しやすい?
以下の結果が得られました。
ベースラインにおいて医療従事者(オッズ比0.1、95%信頼区間0.03-0.34)であること、病気により休んだ日数が112日未満(オッズ比1.00、95%信頼区間0.93-1.00)、指床間距離が小さい(オッズ比0.96、95%信頼区間0.93-0.99)、不安/うつ症状スコアが低い(オッズ比0.97、95%信頼区間0.95-1.00)、日常生活(オッズ比0.96、95%信頼区間0.93-1.00)、生活の質(オッズ比0.98、95%信頼区間0.95-1.00)への慢性腰痛の影響が低いことと、2年間の追跡期間における仕事復帰が有意に関連していた。
医療従事者は、腰痛があっても2年後も仕事を続けられている場合が多いという結果でした。
医療従事者であることと、腰痛症があって仕事を続けることになぜ関連があるかは不明です。腰痛は、仕事の効率性を下げる可能性がある病気です。このような研究を参考にしつつ、生活習慣の改善などに配慮していくことが大事です。
執筆者
Chronic low back pain among French healthcare workers and prognostic factors of return to work (RTW): a non-randomized controlled trial.
J Occup Med Toxicol. 2015 Oct 29.
[PMID: 26516339]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。