2015.11.23 | ニュース

脳卒中後に復職できる人はどんな人?

アメリカの研究チームが141人を分析

from European journal of neurology : the official journal of the European Federation of Neurological Societies

脳卒中後に復職できる人はどんな人?の写真

脳卒中になると、手足の麻痺や記憶障害、言語障害などにより、元の仕事に復帰できないことがあります。この研究では、脳卒中になった人を対象に、どのような特徴がある人が復職できたか調査しました。

♦脳卒中の発症後に復職できる人はどんな人?

この研究は、脳卒中を初めて発症した後、3か月から2年以内の中等度の能力障害を持つ18歳から60歳の患者を対象としました。年齢などの基本情報や身体機能、精神状態、社会的なサポートが復職に関係するか調べました。

 

◆障害の程度が軽く、専門職や企業に勤めていた人は復職しやすい?

結果は、以下の通りでした。

141人の患者(平均±標準偏差、48±8.8歳)のうち、74人(52.5%)の患者が脳卒中後に復職した。多変量分析の結果、3か月時点でのmodified Rankin scaleのより低いこと(オッズ比3.70、95%信頼区間1.77-7.76)、年齢がより若いこと(オッズ比2.24、95%信頼区間1.07-4.67)、専門職か企業職(オッズ比3.02、95%信頼区間1.44-6.34)が有意に復職の成功と関係することが分かり、不安やうつ症状、社会的な援助のスコアは、患者の復職の意志に影響しなかった (それぞれP = 0.17、0.61、0.27)。

脳卒中後に復職と関係する特徴は、能力障害の程度が軽いこと、年齢が若いこと、専門職や企業職であることでした。また、精神的な不安や抑うつ、社会的なサポートは、患者の復職の意思決定と関連が見られませんでした。

 

脳卒中の発症後、職場環境によってはなかなか復職できないこともあると思います。今回の結果を踏まえ、脳卒中患者の復職をどのよう促していくかも検証していく必要があるかもしれません。

執筆者

com

参考文献

Factors predictive of return to work after stroke in patients with mild-moderate disability in India.

Eur J Neurol. 2015 Oct 30

[PMID: 26518615]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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