どんな職業が脳卒中になりやすい?
脳卒中の発症に、ストレスが関連していると言われています。今回の研究では、ストレスが高い職業についている人とストレスが低い職業についている人を比較し、脳卒中が発症する危険性と関連しているか検証しました。
◆どんな職業が脳卒中を発症しやすいか?
今回の研究では、過去の6つの研究をまとめ、138,782人を対象に脳卒中を
職業は以下の4つに分類しました。
- 要求されること、自分で決めることともに少ない受動的な仕事(肉体労働など)
- 要求されることは少なく、自分で決めることが多いストレスが小さい仕事(建築家など)
- 要求されることが多く、自分で決めることが少ないストレスが大きい仕事(サービス業など)
- 要求されること、自分で決めることが多い能動的な仕事(医師など)
◆ストレスが高い仕事では脳卒中を発症する危険性が高い
以下の結果が得られました。
ストレスが高い仕事は低い仕事と比べて、脳卒中のリスクの増大と関連していた(相対リスク1.22、95%信頼区間1.01-1.47)。
能動的(相対リスク1.07、95%信頼区間0.90-1.28)、受動的(相対リスク1.01、95%信頼区間0.86-1.18)な仕事のどちらにおいても、ストレスが低い仕事と比べて、脳卒中のリスクの増大と関連していなかった。
ストレスが高い仕事(サービス業や看護助手)では、低い仕事(建築家や科学者)と比べて、脳卒中を発症する危険性が高いという結果でした。
ストレスの大きさは人によって捉え方は様々ですので、特定の職業から誰もがストレスを受けたり、ストレスが病気につながるとは一概に言えません。しかし、このような研究結果を参考に、職員のストレスに配慮するきっかけになることは悪いことではないかもしれません。
執筆者
Association between job strain and risk of incident stroke: A meta-analysis.
Neurology. 2015 Oct 14
[PMID: 26468409]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。