2016.01.07 | ニュース

ビタミンDが多いと運動能力アップ?

ドイツでの調査から

from The British journal of nutrition

ビタミンDが多いと運動能力アップ?の写真

ビタミンDはカルシウム代謝に加え、骨や皮膚等に良い働きをもたらします。今回筆者らは、運動能力とビタミンDの関連について調査しました。

◆室内自転車を用いた運動での測定

この研究では、別々の2つの集団追跡調査(2002年から2006年まで行われたSHIP-1研究と、2008年から2012年まで行われたSHIP-TREND研究)から、計2,127人のデータを得ました。参加者には室内用自転車を用いた運動を行ってもらい、酸素消費量などの運動能力の測定を行いました。血中のビタミンDの指標である25ハイドロキシビタミンD濃度も測定しました。

 

◆高25ハイドロキシビタミンDの被験者は運動能力が高い

著者らは以下の結果を得ました。

SHIP-1において25ハイドロキシビタミンD量は、調査で考慮された全ての心肺運動能力パラメーターと正の相関があった。高25ハイドロキシビタミンDレベル(4分位群の最上位)は、低レベルの被験者(4分位群の最下位)と比べ最大25%の高い運動能力を示した。

つまりSHIP-1研究の参加者で、血中の25ハイドロキシビタミンDが高いと、運動能力も高くなる傾向が示されました。もう一つのコホート集団であるSHIP-TREND研究の参加者でも、同様な結果を示しました。

 

著者らは、「結論として、健康な成人の二つの大きなコホート集団において、25ハイドロキシビタミンDと心肺運動テストのパラメーターに関し有意にポジティブな相関が見られた。」としています。

ビタミンDは骨や皮膚に加え、神経や免疫系、筋肉にも作用する事が近年知られて来ました。運動との関係も今後話題になるかもしれません。

 

執筆者

高田

参考文献

Vitamin D is associated with cardiopulmonary exercise capacity: results of two independent cohorts of healthy adults.

Br J Nutr. 2015 Dec 1:1-9.

[PMID: 26620039]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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