◆合計232人を対象とした2件の臨床試験
2件の臨床試験に、中用量から高用量の吸入剤治療を受けているにもかかわらず好酸球の検査値が高く、喘息の発作が起こる12歳~75歳の喘息患者が合計232人参加しました。
好酸球は白血球の一種で、喘息の状態が悪いときは特に多くなります。
患者は、レスリズマブまたは偽薬のどちらかを受けるグループに分けられ、1年間4週ごとに薬を投与されました。
◆レスリズマブは喘息の悪化を減らす
両方の臨床試験で、レスリズマブで治療を受けた患者は、偽薬で治療を受けた患者に比べて喘息悪化の頻度が少なく、一方の試験では0.50倍、もう一方の試験では0.41倍になりました。副作用の可能性があるアナフィラキシー症状が2人の患者に現れ、2人とも治療で回復しましたが、試験から離脱しました。
これらの試験により、血液中の好酸球が高く、吸入剤治療ではうまくコントロールできなかった喘息患者にレスリズマブを使用したときの効果が示されました。
喘息治療の方法に選択肢が1つ増えることになるかもしれません。
執筆者
Reslizumab for inadequately controlled asthma with elevated blood eosinophil counts: results from two multicentre, parallel, double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 3 trials.
Lancet Respir Med. 2015 May
[PMID: 25736990]
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