2015.12.15 | ニュース

硝酸塩が多い食べ物が胃がん予防につながる?

過去の論文から解析
from Nutrients
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野菜などに多く含まれている硝酸塩という成分は、体内で亜硝酸塩やニトロソアミンといった成分に変換されます。研究チームは、これらの成分を含む食べ物と胃がんとの関係について報告しました。

◆過去の論文22件を用いて評価

研究チームは、2015年の8月以前の論文のデータベースから、22件の論文を用いて、硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソアミンの一種(NDMA)に関するデータを得ました。
 


◆硝酸塩を多く摂ると胃がんのリスクが下がった

評価の結果、以下のことが分かりました。

最も低い分類と比較して、最も高い分類に対する胃がんの要約した相対危険度は、硝酸塩を含む食べ物では0.80(95%信頼区間:069-0.93)、亜硝酸塩を含む食べ物では1.31(95%信頼区間:1.13-1.52)、NDMAを含む食べ物では1.34(95%信頼区間:1.02-1.76)だった(それぞれの不均一性のP:0.015、0.013、<0.001)。

つまりこの研究から、亜硝酸塩とNMDAが多い食べ物を多く食べる人で胃がんのリスクが高いと見られた一方、硝酸塩が多い食べ物を食べる人では胃がんになるリスクが低いことが示されました。

 

この研究では、硝酸塩が多い食べ物と胃がんになるリスクの因果関係は明らかになっていません。しかし、野菜が健康に良い影響を与えるという報告もあることから、硝酸塩を多く含む野菜をバランス良く食べることは重要なのかもしれません。

執筆者

鈴木あいか

参考文献

Dietary Nitrates, Nitrites, and Nitrosamines Intake and the Risk of Gastric Cancer: A Meta-Analysis.

Nutrients. 2015 Dec 1

[PMID: 26633477]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。