◆ビタミンCの摂取量と骨折する危険性の関係は?
ビタミンCは、コラーゲンを作るために必要と言われており、骨が健康に維持されるための働きに関わっているかもしれません。 今回の研究では、ヨーロッパの調査に参加した25,639人の中から選ばれた対象者について、ビタミンCの摂取量と骨の強さ、骨折する危険性の関係を検証しました。
◆ビタミンCの摂取量と骨の強さは関係するが、骨折の危険性とは関係しない
以下の結果が得られました。
男性では、すべての五分位数の間でビタミンC摂取量とVOSの間に有意な正の関連性が認められたが(β=2.47m/s、p=0.008)、血中ビタミンCでは有意ではなく、女性ではBUAとの間に同様の関連性が認められた(β=0.82dB/MHz、p=0.004)。
ビタミンCの摂取量は骨折リスクとは関連しなかったが、男性では血中濃度と負の関連性があり、第4五分位数では第1五分位数よりも股関節骨折(ハザード比0.35、95%信頼区間0.16-0.80)、脊柱骨折(ハザード比0.26、95%信頼区間0.10-0.69)のリスクが有意に低かった。
ビタミンCの摂取量と骨折の危険性には関連性が見られませんでしたが、男性ではビタミンCの血中濃度が高いほうが骨折の危険性が低い関係がありました。
ビタミンCの血中濃度と骨折に関連性があった一方で、摂取量との関連は見られなかったという結果でした。ビタミンCは大量に摂取すると尿などから大部分が排泄されると言われ、食事から得られるビタミンCでは、結果としてさほど変わりがないのかもしれません。
執筆者
Cross-sectional and prospective associations between dietary and plasma vitamin C, heel bone ultrasound, and fracture risk in men and women in the European Prospective Investigation into Cancer in Norfolk cohort.
Am J Clin Nutr. 2015 Dec
[PMID: 26537939]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。