◆100歳超えても大丈夫?
血管内治療は、血管にカテーテル(細い管)を挿入し、カテーテルの先にさまざまな道具を送り込むことで、血管を拡張したり、詰まった血の塊を取り除いたりする治療法のひとつです。
今回の研究では、首の動脈が塞がったことによる脳卒中の診断で入院になった103歳の女性に血管内治療を行い、その経過を報告しました。
この人は入院前は最小限の介護で生活していました。診察を受けたときには、発症から2時間が経っていました。重症度は高かったですが、画像検査に目立った梗塞はありませんでした。
◆48時間後、機能はほとんど回復
以下の経過が報告されました。
彼女は、著明な回復(48時間時点でNIHSS1点)を見せた。 脳卒中発症後から再開通までの時間は3時間40分であった。
血管内治療を行ったところ、48時間後には身体機能はほぼ回復していました。
手術の適応は、年齢によって異なることが多いですが、今回の症例のように100歳を超えていても回復する可能性もあるようです。今回の症例は病前もかなり元気であったので、このような結果になったことも考えられますし、かなり高齢になってからの手術は危険を伴うこともあるため、検討が必要です。しかし、1症例からではその危険性などに言及できない一方で、症例数の少ない100歳以上の治療成績が現れたことは、今後の治療に役立つかもしれません。
執筆者
Successful endovascular stroke therapy in a 103-year-old woman.
BMJ Case Rep. 2015 Nov 3
[PMID: 226531731]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。