2015.10.25 | ニュース

PTSDに鍼治療は有効?

ランダム化比較試験により検証

from Medical care

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心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、怖い思いをした記憶が心の傷となり、そのことが思い出され恐怖を感じ続ける病気です。PTSDの通常治療に加え鍼治療を行うという試みがありますが、その効果は明らかではありません。今回、PTSDをもつ患者に対する鍼治療の効果を調べました。

◆鍼治療の効果をランダム化比較試験により検証

45人のPTSDの患者をランダムに分け、一方には週2回、通常の治療に加えて60分の鍼治療を行い、もう一方には通常の治療のみを行いました。

 

◆PTSDに対し、鍼治療が有効?

研究の結果、以下が示されました。

PTSDの重症度の改善の平均は、通常治療に比べて鍼治療を介入した群で統計学的に有意に高かった(PCLの改善=19.8±13.3と9.7±12.9、P<0.001、CAPSの改善=35.0±20.26と10.9±20.8、P<0.0001)。

この結果は、通常治療に加えて鍼治療を行うとPTSDの重症度がより改善したことを示しています。

 

鍼治療がPTSDの改善に寄与するメカニズムは明らかとなっていませんが、精神面に対するケアのひとつとして検討されることがあるかもしれません。

執筆者

NK

参考文献

Randomized effectiveness trial of a brief course of acupuncture for posttraumatic stress disorder.

Med Care. 2014 Dec

[PMID: 25397825]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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