2015.10.21 | ニュース

テニス肘は1年以内に自然治癒することが多い

ランダム化比較試験により検証
from BMC musculoskeletal disorders
テニス肘は1年以内に自然治癒することが多い の写真
(C) Julián Rovagnati - Fotolia.com

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)は、肘への負担が重なり、肘の外側が痛くなる病気です。通常の治療としては、理学療法や痛み止めの治療などを行います。今回の研究では、それらの治療効果を検証しました。

◆理学療法とステロイド注射の効果を検証

今回の研究は、テニス肘の患者177人をランダムに以下の群に分け、それぞれ6か月間の治療を行ったうえ、1年間経過を追跡調査しました。

  • 理学療法ステロイド注射を行う群
  • 理学療法とプラセボ注射を行う群
  • 対照群(何もしない群)

ステロイド薬は、強力な鎮痛作用があり、関節の痛みに対してよく使われます。一方で、副作用が出る可能性もある薬です。

 

◆理学療法とステロイド注射は最初は痛みを改善させるが、その後は対照群よりも悪化

以下の結果が得られました。

理学療法とステロイド注射を行うと、対照群と比較して6週の時点で治療が成功するオッズは10.6倍(オッズ比10.60、p<0.01)であった(NNT=3、99%信頼区間1.5-4.2)。

12週の時点では、これらの群間に有意差は見られなかったが、26週の時点では、対照群と比較して、治療が成功するオッズは91%低く(オッズ比0.09、p<0.01)、大きい負の効果が認められた(NNT=5、99%信頼区間2.1-67.4)。

52週時点では有意な差がなかった。

理学療法とステロイド注射を組み合わせると、最初は対照群よりも痛みを改善しましたが、その後26週の時点では対照群よりも状態が悪くなり、1年経過時点では違いが見られないという結果でした。

1年経過時点で、患者自身の評価により大きな改善または完治が達成された割合は対照群で78%、理学療法とプラセボ注射の群で78%、理学療法とステロイド注射の群で75%であり、統計的な差が見られませんでした。

ステロイド注射の副作用については、治療群との間に差はなく、重篤なものもありませんでした。最も多く報告された副作用は、軽い胃腸の副作用で、15%の人に見られました。

 

今回の研究結果だけでは、結論づけることは難しいですが、何もしなくても7割以上が1年以内に大きく改善したという結果であり、テニス肘は自然に治る可能性もあると言えそうです。現在、テニス肘発症後は理学療法も行われますが、今後の検証も含めてその効果を適切に評価したうえで行うことが、結果をよりよくすることにつながるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Corticosteroid or placebo injection combined with deep transverse friction massage, Mills manipulation, stretching and eccentric exercise for acute lateral epicondylitis: a randomised, controlled trial.

BMC Musculoskelet Disord. 2015 May 20

[PMID: 25989985]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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