◆ 高血圧患者533人を対象としたランダム化比較試験
研究グループは、高血圧の患者533人を対象とし、2つの行動療法における血圧コントロールの効果を調べることを目的とした研究を行いました。
対象者をランダムに3つに分け、6ヵ月間にわたり食事、運動、服薬についてオーダーメイドの段階に即した介入(SMI)を行う群とオーダーメイドでない健康教育介入(HEI)を行う群、通常のケアを行う群の介入効果を測定しました。
◆ 行動療法は血圧コントロールの改善に有効?
6ヵ月後の結果について、以下のように示しています。
収縮期血圧(標準誤差)は、6ヵ月時点でSMI 、HEI、UCにおいてそれぞれ、131.2(1.05)、131.8(0.99)そして134.7(1.02)だった(対比較によるp値は、UCと比較して、SMIで0.009、HEIで0.047)。
この結果は、介入を行ったグループは、SMI群、HEI群ともに、通常のケアと比較して、血圧の改善があったことを示しています。
今回の研究において、行動療法、特に個々に即した行動療法が血圧コントロールを改善するということが示されました。今回の結果だけでは他の治療法と比べてどの点が優れているか確定的ではありませんが、どのような運動や服薬が有用かだけでなく、どのように用いるかという視点で治療をみることも役に立つかもしれません。
執筆者
Effectiveness of a tailored behavioral intervention to improve hypertension control: primary outcomes of a randomized controlled trial.
Hypertension. 2015
[PMID: 25403606]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。