甲状腺髄様癌を治療、バンデタニブの効果と副作用

甲状腺がんの一種である甲状腺髄様がんの治療薬にバンデタニブがあります。フランスで実際に使った例から、治療を受けた人の経過と副作用についての情報がまとめられました。
◆2012年までのフランスの例
研究班は、2010年から2012年の間に、進行した甲状腺髄様がんに対してバンデタニブの治療を受けたフランスの患者60人のデータから、治療による経過と、副作用の可能性がある
◆無増悪生存期間16か月、心毒性あり
次の結果が得られました。
甲状腺髄様がんの患者60人から得られたデータが解析された。
研究評価時点で、フォローアップ期間の中央値は20か月、治療期間の中央値は9.7か月(範囲0.3か月から36か月)であり、15人の患者がバンデタニブ治療を続けていた(範囲18か月から36か月)。無増悪生存期間の中央値は16.1か月だった。
すべての患者が治療期間に少なくとも1回の有害事象を経験していた。主な有害事象は皮膚毒性、下痢、無力症だった。16人の患者(27%)が毒性のために治療中断し、1人の患者はバンデタニブに誘発された心毒性により死亡した。
60人の半数が、治療開始後約16か月の間、病気が進行することなく生存しました。1人の死亡がバンデタニブの副作用によると見られました。
研究班は「バンデタニブは進行した甲状腺髄様がんの患者に対して有効な選択肢である。有害事象は慎重に監視され、患者と治療提供者を教育するとともに
バンデタニブは日本でも根治切除不能な甲状腺髄様がんの治療として2015年9月に承認されました。進行した
執筆者
Vandetanib for the treatment of advanced medullary thyroid cancer outside a clinical trial: results from a French cohort.
Thyroid. 2015 Apr
[PMID: 25627619]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。