2016.04.07 | ニュース

乳がんがある女性に大腸がんも多いのは、治療のせい?

乳がん患者18万人のデータから

from Cancer epidemiology

乳がんがある女性に大腸がんも多いのは、治療のせい?の写真

がんの治療に使われる放射線療法やホルモン療法は、場合によってはほかのがんが発生する一因になります。乳がんがある人には大腸がんも多いというデータがありますが、乳がんの治療は関係しているのかどうか、統計データをもとに検証が行われました。

◆乳がんの治療で大腸がんの頻度は変わるか?

ここで紹介する研究では、スウェーデンのがん登録データを使って、乳がんと診断された女性にその後大腸がんが発生する頻度が調べられました。

研究班は、1961年から2010年の間に乳がんと診断された女性179,733人のデータを解析しました。乳がんがある人で大腸がんが一般人口よりも多く発生しているか、また乳がんの治療によって大腸がんの頻度が変わっているかが検討されました。

 

◆治療の関連なし

解析から次の結果が得られました。

乳がんコホートでは、一般人口に比べて直腸結腸腺癌のリスク増加が観察された(標準化発生率比1.59、95%信頼区間1.53-1.65)。

乳がん患者の間で、治療に依存した直腸結腸がんのリスクは観察されなかった。

乳がんがある女性では、一般人口よりも高い頻度で大腸がんが発生していました。また、乳がんの特定の治療を受けたことによって大腸がんが増えるという影響は見られませんでした

 

がんは遺伝子や生活習慣など多くの原因が組み合わさって発生します。原因の大部分は不明ですが、喫煙のように、乳がんと大腸がんの両方の原因になりうる要素も知られています。

この研究では乳がんの治療法によって大腸がんが増える影響は見られませんでした。がんの治療では治療法ごとに副作用や注意するべき点があり、第二のがんを過度に恐れるよりも、より起こりやすい問題を理解することが、治療法を選ぶためには大切といえるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Increased risk of colorectal cancer in patients diagnosed with breast cancer in women.

Cancer Epidemiol. 2016 Apr.

[PMID: 26826682]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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