2015.10.04 | ニュース

変形性膝関節症の膝の痛みにクルクミン

ランダム化比較試験により検証

from Journal of orthopaedic science : official journal of the Japanese Orthopaedic Association

変形性膝関節症の膝の痛みにクルクミン の写真

変形性膝関節症の主な症状である膝の痛みは、日常生活の妨げになる、つらい症状です。今回の研究では、この痛みにクルクミンというスパイスに含まれる成分が有効かどうか検証しました。

◆変形性膝関節症の膝の痛みにクルクミンが有効か検証

クルクミンはスパイスの一種であるターメリック(うこん)に含まれることが知られています。治療として確立されているわけではありませんが、効果のひとつとして、抗炎症作用が報告されています。

今回の研究では、40歳以上の変形性膝関節症患者50人を対象に、膝の痛みに対するクルクミンの有効性を検証しました。

対象は、吸収率を高めた高吸収型クルクミンを1日180mg、8週間摂取する群とプラセボ群にランダムに分けられました。

 

◆クルクミンにより膝の痛みが改善

以下の結果が得られました。

治療開始から8週間の時点で、膝の痛みのVASスコアは、開始時点のVASスコアが0.15未満の患者を除いて、プラセボ群と比べて高吸収型クルクミン群で有意に軽減した。

変形性膝関節症の膝の痛みは、クルクミンを摂取することでより改善するという結果でした。

 

今回の研究からだけでは、変形性膝関節症の患者全体に当てはまるかどうかはわからず、有効性に言及することは難しいです。変形性膝関節症の膝の痛みはひとつの治療で治められない場合もよくあり、手術やそのほかさまざまな治療法が研究されているため、痛みが強い方は医師に相談することをおすすめします。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Short-term effects of highly-bioavailable curcumin for treating knee osteoarthritis: a randomized, double-blind, placebo-controlled prospective study.

J Orthop Sci. 2014 Nov

[PMID: 25308211]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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