2016.03.12 | ニュース

生理前のつらい症状に、ウコンの成分「クルクミン」の効果は?

70人3周期の比較
from Complementary therapies in medicine
生理前のつらい症状に、ウコンの成分「クルクミン」の効果は?の写真
(C)Iurii Sokolov- Fotolia.com

月経にともなってホルモンのバランスが変わることなどにより、抑うつ、頭痛などの月経前症候群の症状が現れます。それぞれの症状に対応する原因は正確にはわかっていません。クルクミンを飲んだときの効果が報告されました。

◆クルクミンカプセルで月経前症候群の症状に変化はあるか

クルクミンは、スパイスの一種であるターメリック(ウコン)に含まれる成分です。健康への作用についてこれまでにも研究されています。この研究では、クルクミンが月経前症候群症状を抑える効果が検討されました。

月経前症候群と診断された女性70人が対象となりました。対象者はランダムに、クルクミンを飲むグループと、有効成分を含まない偽薬を飲むグループに分けられました。

月経開始の7日前から月経後3日までの間、1日2カプセルを飲み、それを3回繰り返すことで、症状に変化があるかが比較されました。

 

◆重症度が減少

次の結果が得られました。

クルクミン治療を3サイクル連続で行ったあとでは、月経前症候群の重症度の総スコアは102.06±39.64から42.47±16.37に減少し(平均変化量59.59; 95%信頼区間46.19-72.99)、偽薬群では月経前症候群の重症度の総スコアは106.06±44.12から91.60±43.56に変化した(平均変化量14.45; 95%信頼区間2.69-26.22)。さらに、平均変化量の差は有意だった(平均差45.14; 95%信頼区間6.10-14.98)。

偽薬を飲んだグループに比べて、クルクミンを飲んだグループのほうが、重症度がより軽くなっていました

研究班は「この結果は、月経前症候群の症状の重症度を和らげるためにクルクミンが有益な作用を持っている可能性を初めて示した[...]」と結論しています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Curcumin attenuates severity of premenstrual syndrome symptoms: A randomized, double-blind, placebo-controlled trial.

Complement Ther Med. 2015 Jun.

[PMID: 26051565]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。