2015.10.01 | ニュース

若い人がインフルエンザワクチンを打てば、高齢者のインフルエンザも減る

アメリカ地域ごとの比較から
from Clinical infectious diseases : an official publication of the Infectious Diseases Society of America
若い人がインフルエンザワクチンを打てば、高齢者のインフルエンザも減るの写真
(C) mangostock - Fotolia.com

ワクチンにより多くの人が免疫をつけることで全体として流行が起こりにくくなり(集団免疫)、ワクチンを接種していない人にも感染が少なくなると言われています。アメリカで、インフルエンザワクチン接種率が違う地域ごとの比較が行われました。

◆若い人の接種によって高齢者の感染が減るか

インフルエンザワクチンには感染を防ぐ効果がありますが、高齢の人には比較的効果が小さいと言われています。この研究では、アメリカの地域ごとに、18歳から64歳の人でのワクチン接種率と、65歳以上の人でインフルエンザによると見られる病気の頻度に関連があるかを調べました。

 

◆若い人の接種率が高いほど高齢者のインフルエンザが少ない

次の結果が得られました。

若い成人のワクチン接種率が15%以下の郡に住んでいる高齢者に比べて、高齢の住民におけるインフルエンザの主要な診断のオッズ比は、16%-20%の郡で0.91(95%信頼区間0.88-0.94)、21%-25%の郡で0.87(0.84-0.90)、26%-30%の郡で0.80(0.77-0.83)、31%以上の郡で0.79(0.76-0.83)だった(Ptrend<0.001)。

64歳以下の人で接種率が高い地域ほど65歳以上の人のインフルエンザが少ない傾向がありました。接種率が30%を超える地域では15%以下の地域の8割程度でした。

 

ワクチン以外の要因がインフルエンザの頻度に関係していた可能性も完全には否定できませんが、この結果は、集団免疫の効果から予想される傾向と一致します。こうした考え方にもとづいて、ワクチンの目的には自分自身の予防に加えて、周りの人たちに感染を広げることの予防も含まれています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Association of Influenza Vaccination Coverage in Younger Adults With Influenza-Related Illness in the Elderly.

Clin Infect Dis. 2015 Sep 9 [Epub ahead of print]

[PMID: 26359478]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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