糖尿病患者にCT血管造影を行っても死亡は防げない!?
糖尿病は心筋梗塞などの心臓の病気の危険性を増すと言われています。今回の研究では、糖尿病患者がCT血管造影検査(冠動脈CT検査)を受けると、死亡率や心臓の病気の発症を防げるか検証しました。
◆冠動脈CT検査を受ける群と受けない群にランダムに振り分け
900人の糖尿病患者を、冠動脈CT検査を受ける群と、通常のケアを受ける群にランダムに分けました。
結果の評価として、死亡や心筋梗塞などの出来事(イベント)が起こった頻度を比較しました。
◆冠動脈CT検査を受けても死亡率は減らない
以下の結果が得られました。
平均追跡期間4.0年(標準偏差1.7)で、主要アウトカムの発生率はCCTAと対照群で
有意 な差は見られなかった(6.2%[28イベント] vs 7.6%[34イベント、ハザード比0.80[95%信頼区間0.49-1.32、p=.38]])。
糖尿病患者に冠動脈CT検査を行っても、死亡などのイベントは減少しないという結果でした。
冠動脈CT検査を行い血管の状態を評価することは、一見すると良さそうな印象を持ちますが、場合によっては有効とは言えないこともあるのかもしれません。検査は受ければ受けるほど良いと思いがちですが、このようなことも留意して、ほかの研究結果も参照しながら根拠に基づいて判断する必要がありそうです。
執筆者
Effect of screening for coronary artery disease using CT angiography on mortality and cardiac events in high-risk patients with diabetes: the FACTOR-64 randomized clinical trial.
JAMA. 2014 Dec 3
[PMID: 25402757]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。