インフルエンザにかかった子どもが入院する割合はどれぐらい?
子どもがインフルエンザにかかると、そのうち入院する子どもはどのくらいの割合でいるのでしょうか。今回は、アメリカにおいて、インフルエンザで入院した子どもの特徴を分析した2010年の論文を紹介します。
◆病院記録からインフルエンザで入院した子どもの特徴を分析
今回の調査は、2003年から2008年に疾病管理・予防センターの主導で行われた調査で得られたデータで、医師がインフルエンザの検査を行った子ども530万人を病院記録から選択し、入院率の傾向を分析しました。
◆6ヶ月未満では10,000人に9から30人がインフルエンザで入院
以下の結果が得られました。
もっとも高い入院率は6ヶ月未満の子どもで見られ(季節を通して9-30/10,000人)、もっとも低い入院率は5-17歳の子どもで見られた(0.3-0.8/10,000人)。
重症なアウトカムは、
ICU への入院(12%)、呼吸不全 (5%)、細菌 の共感染(2%)、死亡(0.5%)であった。
インフルエンザで病院にかかった子どものうち、入院する子どもの割合がもっとも大きい年齢は6ヶ月未満で、もっとも少ない年齢は5-17歳でした。入院した子どものうち12%がICUで治療され、0.5%が死亡しました。
その他の年齢層も含めてまとめると、インフルエンザで病院にかかった子どものうち入院する子どもの割合は以下のようになりました(単位:人)。
- 6ヶ月未満の子供で9-30/10,000
- 6-23ヶ月の子供で3-11/10,000
- 2-4歳の子供で1-4/10,000
- 5-17歳の子供で0.3-0.8/10,000
インフルエンザによる入院率は年齢が増えるにつれ、減少するという調査でした。 この結果はアメリカで調査されたものですので、日本にそのままあてはめることはできるかはわかりません。しかし、ある程度の参考にはなるかもしれません。
執筆者
Burden of seasonal influenza hospitalization in children, United States, 2003 to 2008.
J Pediatr. 2010 Nov
[PMID: 20580018]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。