2015.09.23 | ニュース

太っている人はカロリー摂食量を過少申告する?

アメリカで253人の調査結果から

from The Journal of nutrition

太っている人はカロリー摂食量を過少申告する?の写真

エネルギー摂取量(EI)は自己申告を基にするため、不正確である可能性があります。そこで著者らはエネルギー代謝を客観的に測定する手法を用いて、申告の正確さを調べ、正確さと肥満とに関連性があるかを調べました。

◆二重標識水法を用いたエネルギー代謝量の測定とBMI等の関連を調査

エネルギー代謝量を求めるために、二重標識水法を用いました。これは水素・酸素の同位体を含んだ水を飲み、尿中に排出された同位体の量を調べてエネルギー代謝量を測定する方法です。

著者らは計253人の10代を中心とする参加者(173人の女性と80人の男性)を対象に、エネルギー摂取量などのアンケートとBMI(体重÷身長の2乗)を基に、相関性を調べました。

 

◆BMIが高い人は、エネルギー摂取量を過小報告する傾向にある

以下の結果を得ました。

高いBMIは研究群1(相関係数r=0.26, P<0.05)および研究群2(相関係数r=0.20, P=0.01)におけるEIの過小報告と関連があった。研究群2の男性でも同様であった(相関係数r=0.24, P<0.01)。[...]いずれの研究群でも過少報告は将来のBMI変化を予測していなかった。

BMIが高い人は食べた量を正確に申告しない傾向にありました。また、男性は正確に申告しない傾向が見られました。ただし、過小報告が将来のBMIの変化に必ずしも影響するとは言えませんでした。

 

この結果から、太り気味の人達は自分が思っているエネルギーの摂取量と、実際のエネルギー代謝量に差がある可能性が高い事が分かりました。この差を把握していくことが、今後の肥満治療に影響するかもしれません。

執筆者

高田

参考文献

Elevated BMI and Male Sex Are Associated with Greater Underreporting of Caloric Intake as Assessed by Doubly Labeled Water.

J Nutr. 2015 Sep 2. 

 

[PMID: 26338886]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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