軽度の肥満以上の患者を対象に体重や血圧などを測定
体格指数(BMI)が25以上の軽度の肥満がある外来患者212名を、ダイエットアプリを使用する群と、アプリを使用しない群にランダムに分け、6か月後の体重変化を比較しました。ダイエットアプリは無料のものを使用し、治療の指標は体重、血圧、目標カロリーを示すコンテンツの使用頻度、アプリの使用頻度、アプリの満足度などでした。
体重減少に効果は低い結果に
調査の結果、2群間において体重と血圧の改善効果に差は見られませんでした。目標カロリーを示すコンテンツの使用頻度は増加したようです。アプリの満足度も高い結果となりましたが、アプリを使用する頻度は、最初の1か月のあと急に下がっていました。
また、アプリを使用していない群のなかには、勝手に同じアプリを使用している人もいたことや、アプリを使用した群でも32%の人が途中離脱していました。
以上の結果から、筆者らは「もともとカロリーを自己管理する意志がある人にはアプリが役に立つかもしれないが、もともとアプリを使っていなかった人に勧めても体重減少の効果は期待できないのではないか」と述べています。
近年さまざまなダイエットアプリが出ていますが、その効果に関する研究が有名雑誌に取り上げられるというのは面白いですね。今後もこのような研究が数多く出てくることでしょう。国や文化の違いはあれど、参考になるかもしれません。
執筆者
Effectiveness of a smartphone application for weight loss compared with usual care in overweight primary care patients: a randomized, controlled trial.
Ann Intern Med. 2014 Nov 18
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。