2015.06.10 | ニュース

スマホアプリを使った生活管理で体重が減った

アメリカで食事・運動管理に組み合わせ

from American journal of preventive medicine

スマホアプリを使った生活管理で体重が減ったの写真

生活習慣が主な原因とされる2型糖尿病の予防として、健康的な体重を保つことが大事です。減量には食事や運動に関係するさまざまな方法が試されていますが、中でも最近考えられているのが、スマートフォンのアプリを使って生活を管理する方法です。カリフォルニア大学の研究班が、アプリと歩数計などを組み合わせたプログラムを試し、対象者の体重を減らす効果があったことを報告しました。

◆BMI33の人が対象

研究班は以下のように減量プログラムを試しました。

平均年齢55.2歳(標準偏差9.0年)の過体重の成人61人が対象とされた。そのうち77%が女性、48%が少数人種または少数民族で、ベースラインのBMIは33.3(標準偏差6.0)だった。

カリキュラムはDiabetes Prevention Programから応用され、治療者と対面で行うセッションの頻度を16回から6回に減らし、集団運動セッションを在宅運動プログラムに置き換えたものとした。この研究で開発した携帯電話アプリと歩数計が介入と自己管理ツールの強化のために使われた。

治療開始時点で平均BMI(体重÷身長の2乗、22前後が健康的とされる)が33.3の人を対象とし、食事と運動などを管理するプログラムを実行する中で、対象者はアプリと歩数計などを使って自己管理しました。

 

◆5か月で6.2kg減量

次の結果が得られました。

ベースラインから5か月のフォロー期間後の間で、介入群(30人)にはintention-to-treat解析で6.8%に相当する平均6.2kgの減量(標準偏差5.9kg、5.7%に相当)があり、対照群(31人)では0.3%相当の0.3kgの増加(標準偏差3.0kg、5.7%に相当)があった(P<0.001)。介入群の歩数は1日あたり2,551歩増加(標準偏差4,712歩)し、対照群では1日あたり734歩減少(標準偏差3,308歩)した(P<0.001)。

プログラム開始から5か月後に、体重は平均6.2kg減っていました。歩数は1日あたり平均で2,551歩増えていました。

 

食事と運動の管理と言っても簡単には実践できないもので、いろいろな道具の助けを借りれば楽になる部分があるかもしれません。なお、MEDLEYニュースでも似た試みをいくつか紹介しています。興味のある方はあわせてご覧ください。

 

「ダイエットアプリだけでは、たぶんダイエットできない」

http://medley.life/news/item/5539ef9ac05cede600c9969b

「COPD患者が歩数計を手にしたら、運動量がはっとするほど増加」

http://medley.life/news/item/55432971e3c95f0001009115

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A Novel Diabetes Prevention Intervention Using a Mobile App: A Randomized Controlled Trial With Overweight Adults at Risk.

Am J Prev Med. 2015 May 29. [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26033349]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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