睡眠時間が5時間以下の人は動脈硬化が進んでいた

睡眠時間と睡眠の質は生活習慣を反映して、さまざまな理由で短くあるいは長くなります。韓国などの研究班が、健康調査データの解析から、睡眠と動脈硬化に関連が見られたことを報告しました。
◆3万人の調査データから
研究班は、健康な成人を対象にした健康調査データから、睡眠の長さ、睡眠の質に加えて
動脈硬化の指標として、
◆5時間以下の睡眠はどちらの指標も悪い
次の結果が得られました。
睡眠時間7時間に対して、多変量冠動脈石灰化スコア比は5時間以下で1.50(95%信頼区間1.17-1.93)、6時間で1.34(1.10-1.63)、8時間で1.37(0.99-1.89)、9時間以上で1.72(0.90-3.28)だった(二次的トレンドについてP=0.002)。
主観的な睡眠の質が悪いことと冠動脈石灰化スコアには女性で関連が見られたが男性では見られず、対して主観的な睡眠の質が悪いことと上腕足首脈波伝播速度の関連は女性よりも男性で強く見られた。
睡眠時間が7時間の人に比べて、5時間以下の人では2種類の指標でともに動脈硬化が進んでいると見られる差がありました。睡眠の質についても関連が見られました。
研究班は「この結果は心血管の健康を維持するために睡眠の適切な量と質が重要であることを強調する」と結論しています。
睡眠時間が短い生活は、それ自体が体の負担になるだけでなく、食事、運動、ストレスなど多くの要素と結び付いています。この結果は、睡眠時間が健康的な生活の目安になりうることを改めて確かめているのかもしれません。
執筆者
Sleep Duration, Sleep Quality, and Markers of Subclinical Arterial Disease in Healthy Men and Women.
Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2015 Sep 10 [Epub ahead of print]
[PMID: 26359509]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。