◆8週間、週1日、1日3回、耳に鍼を貼る群と対照群にランダムに分類
アレルギー性鼻炎の患者245名を鍼群と対照群にランダムに振り分けました。鍼群は、耳に粒鍼という鍼を貼り、8週間実施しました。
粒鍼とは、一般的に想像する刺す鍼とは異なり、先に小さく丸いチタン製の物体が付いていて、それをツボに貼ることでツボを圧迫することができるものです。
鍼群では、耳の上部および耳甲介と呼ばれる耳の内側の部分に、対照群では、耳たぶや耳の外側の部分に、粒鍼を貼りました。治療は、刺激部位および刺激方法の指導を受け、患者自身で行いました。
アレルギー症状と生活の質(QOL)で、鍼の有効性を検証しました。
◆鍼群でアレルギー症状とQOLが改善
以下の結果が得られました。
治療と追跡期間の終了後、global QOLスコアの変化は、偽鍼群と比較して、本当の鍼群で有意に改善した。
追跡期間終了時では、鼻の症状スコアのうち全症状、鼻水、目の症状が偽鍼群と比較して本当の鍼群でより大きく減少した。
粒鍼を耳に貼ると、鼻水や目の症状といったアレルギー症状やQOLが改善するという結果でした。
この研究からだけでは、耳を圧迫することがアレルギー症状に対する有効な治療であるかは判断できません。しかし、この粒鍼は指導を受ければ自分でも行える可能性があります。アレルギー性鼻炎という多くのひとが悩まされている病気のためにも、今後の検証が待たれます。
執筆者
Ear acupressure for perennial allergic rhinitis: A multicenter randomized controlled trial.
Am J Rhinol Allergy. 2014 Jul-Aug
[PMID: 25197908]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。