アレルギー性鼻炎で使う鼻スプレー、薬によって使い心地は違う?

アレルギー性鼻炎の症状を抑える治療に、鼻にスプレーするタイプの薬があります。効果がある薬でも、使い心地が悪ければ続けるのが辛くなるかもしれません。似た作用の薬を実際に使った人から感想を聞く研究が行われました。
◆2種類のスプレーを比較
この研究では、アレルギー性鼻炎の症状を抑えるスプレーの薬のうち、フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FFNS、商品名アラミスト)と、モメタゾンフランカルボン酸エステル(MFNS、商品名ナゾネックス)という2種類を比較しました。
この2種類の成分は、
アレルギー性鼻炎の患者40人が対象となり、2種類のスプレーを2週間ずつ使ったうえ、使い心地を尋ねるアンケートに答えました。
◆FFNSのほうが人気
次の結果が得られました。
FFNSに対して、苦味(P=0.01)、薬剤が喉に流れてくること(P=0.033)、薬剤が鼻からこぼれること(P=0.002)を感じた対象者は
有意 に少なかった。MFNSは鼻の刺激感(P=0.012)、くしゃみ(P=0.017)、鼻漏 (P=0.007)を引き起こすことがFFNSよりも頻繁に報告された。興味深いことに、これらの所見 は特に女性で観察された。全体で、患者の52.5%がFFNSをより好む意思表示をし、対してMFNSは22.5%だった。
FFNSのほうが良いという回答が52.5%、MFNSのほうが良いという回答は22.5%でした。以下の点はMFNSのほうが多くの人から、特に女性から多く指摘されました。
- 苦味がある
- 薬が喉に流れる
- 薬が鼻からこぼれる
- 鼻に刺激がある
- くしゃみが出る
- 鼻水が出る
研究班は「フルチカゾンフランカルボン酸エステル鼻スプレーは、治療を続けやすくすることによって、アレルギー性鼻炎の患者において治療成果をよりよくすることに貢献するかもしれない」と結論しています。
執筆者
Preference evaluation and perceived sensory comparison of fluticasone furoate and mometasone furoate intranasal sprays in allergic rhinitis.
Auris Nasus Larynx. 2015 Oct 20. [Epub ahead of print]
[PMID: 26498699]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。