◆2日間の効果を比較
研究班は、デンマークで花粉によるアレルギー性鼻炎がある65人の対象者をランダムに分け、偽薬を使うグループ、鼻フィルターを使うグループとして、花粉の季節に2日間の治療を行いました。
◆症状を抑える効果
次の結果が得られました。
鼻フィルターは偽薬に比べて、鼻症状スコアの日毎総和(P=0.03)、最大鼻症状スコア(P=0.03)を有意に減少させた。偽薬に比べて相対減少量の中央値は鼻症状スコアの日毎総和で40%(P=0.02)、最大鼻症状スコアで43%(P=0.004)、くしゃみスコアの日毎総和で83%(P=0.001)、涙目スコアの日毎総和で75%(P=0.02)、鼻汁スコアの日毎総和で53%(P=0.05)だった。
鼻フィルターを使ったときに、症状全体として、またくしゃみ、涙目、鼻汁の症状を軽くする効果が見られました。
研究班は「これらの結果は季節性アレルギー性鼻炎の管理のための鼻フィルターの予防的役割を支持する」と結論しています。
ここで見られたような効果が確かなら、花粉の季節に活躍するかもしれません。花粉症の原因になる花粉の種類は地域ごとに違いますが、日本で多いスギ花粉症にも同様に効果があるかどうかが気になります。
執筆者
Preventive effect of nasal filters on allergic rhinitis: A randomized, double-blind, placebo-controlled crossover park study.
J Allergy Clin Immunol. 2015 Jun 30 [Epub ahead of print]
[PMID: 26141263]
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