脳卒中後に飲み込む力を改善するには?嚥下訓練と針治療を行った効果
脳卒中の後遺症のひとつに、食べ物をうまく飲み込めなくなること(嚥下障害)があります。嚥下障害を改善する嚥下訓練の効果をさらに促進するための方法として、今回紹介する論文では、針治療の有効性を検証しました。
◆針治療と嚥下訓練を行う群と嚥下訓練のみを行う群にランダムに分類
嚥下障害の患者120名を、針治療と嚥下訓練のどちらも行う群と嚥下訓練のみを行う群にランダムに振り分けました。針治療の効果を、嚥下能力や日常生活動作の能力で評価しました。
◆嚥下訓練に針治療を組み合わせると嚥下障害がより改善
治療により以下の結果が得られました。
治療から4週間後、the Standardized Swallowing Assessment (平均の差-2.9、95%信頼区間-5.0から-0.81、p<0.01)、Dysphagia Outcome Severity Scale (平均の差2.3、95%信頼区間0.7-1.2、p<0.01)、Modified Barthel Index(平均の差17.2、95%信頼区間2.6-9.3、p<0.05)、嚥下関連
QOL (平均の差31.4、95%信頼区間3.2-11.4、p<0.01)は、対照群よりも針治療群で有意 な改善を認めた。
嚥下訓練と針治療を組み合わせて行うことで、嚥下訓練のみを行うよりも、嚥下障害を改善するという結果でした。
脳卒中後の嚥下障害により、美味しい食事を満足に食べられなくなってしまうことがあります。そのような人たちへの有効な手段として、今後検証されることを期待します。
執筆者
Does the addition of specific acupuncture to standard swallowing training improve outcomes in patients with dysphagia after stroke? A randomized controlled trial.
Clin Rehabil. 2015 Mar 26
[PMID: 25819076]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。