◆手術後の人を追跡
研究班は、結腸がん(大腸がんの一部)で「ステージIII」という比較的進行した段階のものがあり、手術後に化学療法を受けたあとの患者953人を対象として追跡調査を行い、カフェインの入ったコーヒー、カフェインを抜いたコーヒー、紅茶などの消費量と、病気の経過を調べました。
◆再発または死亡が少ない
次の結果が得られました。
1日あたり4杯以上のカフェイン入りコーヒーを飲む患者では、カフェインをまったく摂取しない患者と比べて、結腸がん再発または結腸がんによる死亡のリスクが有意に低く(ハザード比0.48、95%信頼区間0.25-0.91、Ptrend=0.002)、カフェイン摂取量が増えるほどがんの再発またはがんによる死亡が有意に減少した(最も多い五分位群と最も少ない五分位群の比較でハザード比0.66、95%信頼区間0.47-0.93、Ptrend=0.006)。ハーブティーではない紅茶とデカフェのコーヒーは患者の帰結と関連がなかった。
カフェインの入ったコーヒーを1日4杯以上飲む人では、結腸がんの再発または結腸がんによる死亡が少なくなっていました。カフェインの入っていないコーヒーや紅茶ではこの違いは見られませんでした。
この研究の方法では、コーヒーががんの再発を予防したとは必ずしも断言できず、コーヒーを飲む習慣があるかないかによって手術時点での病気や全身の状態が偏っていなかったかなどもあわせて考える必要があります。
特定の食習慣が病気の予防になるかどうか、長期的な効果を確かめるためには多くの課題があり、コーヒーの効果についてもわかっていることは限られていますが、研究が積み重ねられていくなかで、より確かな情報が見つかってくるかもしれません。
執筆者
Coffee Intake, Recurrence, and Mortality in Stage III Colon Cancer: Results From CALGB 89803 (Alliance).
J Clin Oncol. 2015 Aug 17 [Epub ahead of print]
[PMID: 26282659 ]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。