◆韓国の19歳以上の人が対象
研究班は、韓国の全国調査に参加した19歳以上の人2,680人について、血液または尿に含まれる金属の量と、その時点で眼の病気がある割合の関連を調べました。
◆マンガンが多いと多く、水銀が多いと少ない
データの解析から次の結果が得られました。
潜在的交絡因子を調整したのち、血中マンガンレベルは緑内障の診断のオッズと負に関連した(オッズ比0.44、95%信頼区間0.21-0.92)。血中水銀レベルは緑内障の有病率と正に関連した(オッズ比1.01、95%信頼区間1.00-1.03)。
血液中にマンガンが多い人では緑内障が少なく、水銀が多い人では緑内障が多い傾向が見られました。
研究班は、「微量金属元素が緑内障の発症において何らかの役割を担うことをより確かにするためには、前向き研究によってそうした微量金属元素の存在が緑内障の発症率を増加させることを確かめる必要があるだろう」と述べています。
研究班が述べるように、この研究の方法では、マンガンや水銀の量が緑内障の原因だったのか、緑内障の結果として変化していたのか、それらに共通のほかの原因があったのかは区別できません。地域や生活習慣などとの関係についても検討することで、何かの因果関係が浮かび上がってくるかもしれません。
執筆者
Association Between Body Levels of Trace Metals and Glaucoma Prevalence.
JAMA Ophthalmol. 2015 Aug 6 [Epub ahead of print]
[PMID: 26248281]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。