2015.08.10 | ニュース

辛い食べ物を毎週食べるとどうなる?がん、心筋梗塞などを検証

中国50万人を7年追跡

from BMJ (Clinical research ed.)

辛い食べ物を毎週食べるとどうなる?がん、心筋梗塞などを検証の写真

がんや心筋梗塞などいくつかの病気は、食習慣と関連して多くあるいは少なくなると考えられています。中国の研究で、約50万人の対象者を追跡調査した結果、辛い食べ物を食べる頻度によって、死亡率全体と、がんなどによる死亡率に違いが見られました。

◆30歳から79歳の人50万人が対象

研究班は、中国各地から参加した「開始時点で30歳から79歳の男性199,293人と女性288,082人」を対象として、それぞれの人をおよそ7年にわたって追跡調査し、辛い食べ物の消費と死亡率の関連を調べました。

 

◆辛い食べ物をよく食べる人は死亡率が低い

次の結果が得られました。

コホート全体において、死亡の調整ハザード比は辛い食べ物の消費が週に1回未満の人と比較して、週に1回から2回の人で0.90(95%信頼区間0.84-0.96)、週に3回から5回の人で0.86(0.80-0.92)、週に6回から7回の人で0.86(0.82-0.90)だった。

辛い食べ物の消費と全死亡の負の関連は、アルコールを消費しない人のうちで、消費する人のうちよりも強かった(交互作用についてP=0.033)。負の関連はがんによる死亡、虚血性心疾患による死亡、呼吸器疾患による死亡についても観察された。

辛い食べ物を週に1回以上食べる人で、全体としての死亡率が低くなっていました。この関連は、アルコールを消費しない人では特に強く見られました。死因ごとに調べると、辛い食べ物を多く食べる人では、がん、虚血性心疾患(心筋梗塞など)、呼吸器疾患による死亡が少なくなっていました

 

辛い食べ物を食べる習慣は、何か健康的な要素を含んでいたのかもしれません。ただし、この結果だけで辛い食べ物自体にがんや心筋梗塞などを防ぐ効果があったとは断言できません。生活スタイルの違う日本やほかの国にも当てはまるのか、ほかのデータも見たくなる結果です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Consumption of spicy foods and total and cause specific mortality: population based cohort study.

BMJ. 2015 Aug 4

 

[PMID: 26242395]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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