◆17歳以下の患者が対象
ピタバスタチンは、血液中のコレステロールを減らす効果が知られている、スタチンという種類の薬のひとつです。研究班は次のようにピタバスタチンによる治療を行いました。
6歳から17歳の小児ないし青少年の高脂血症患者計106人が、12週間のランダム化二重盲検偽薬対照研究に登録され、ピタバスタチン1mg、2mg、4mg、偽薬の各群に割り付けられた。
6歳から17歳で高脂血症がある患者106人を対象として、12週間の治療を行いました。対象者はランダムに、ピタバスタチンを使うグループと、偽薬を使うグループに分けられました。治療効果として、コレステロールのうちLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)の量が比較されました。
◆LDL-Cが減少、安全性に問題なし
次の結果が得られました。
偽薬群と比べて、ピタバスタチン群ではベースラインからLDL-Cが有意に減少し、1mg群で23.5%、2mg群で30.1%、4mg群で39.3%だった。
明らかな安全性の問題はなかった。
ピタバスタチンを使うグループで、治療前と比べてLDLコレステロールが少なくなり、重要な副作用は見られませんでした。
研究班は「4mgまでのピタバスタチンは6歳から17歳の小児ないし青少年に対してよく忍容され、有効である」と結論しています。
薬の効き方が大人と子どもで違っていることはよくあります。こうした研究結果が集まることで、子どもの治療法に選択の幅ができるかもしれません。
執筆者
Efficacy and Safety of Pitavastatin in Children and Adolescents at High Future Cardiovascular Risk.
J Pediatr. 2015 Aug
[PMID: 26059337]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。