2015.08.09 | ニュース

本当に危険ながんだけを高精度で見つける試み、前立腺がんの診断に

4種類の指標による数理モデル
from European urology
本当に危険ながんだけを高精度で見つける試み、前立腺がんの診断にの写真
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前立腺がんを見つけ出すPSAという物質の血液検査は、死因にならないがんまで過剰に検出してしまうという意見があります。新たに血液中の4種類の指標をもとに診断することで、比較的リスクの高いがんを見分けられたことが報告されました。

◆PSA検査の問題とは

PSAの検査は前立腺がんを敏感に発見できますが、前立腺肥大症などでも同様に高い値を示してしまいます。また、前立腺がんには進行が遅く死因になりにくいものも多いとされています。

PSA検査をもとに生検(針で前立腺の組織を取り出す検査)を行ったり、見つかったがんを治療することには、周りの臓器を傷つけるなどのリスクもあります。

PSA検査は治療の必要がないものを過剰に検出してしまい、過剰な治療を促すことで、利益よりも大きいリスクをもたらすという意見があります。

 

◆新しい検査指標

研究班は、血液中の物質の測定による4種類の指標を組み合わせた、新しい数理モデルを使って、対象者に高グレード(Gleasonスコア7以上)のがんがあるかを予測しました。

対象者はPSAなどから前立腺がんを疑われた男性749人で、生検を受け、生検の結果を予測と比較されました。

 

◆生検を23%減らしてがん94%をカバー

次の結果が得られました。

ProtecTモデルは年齢とPSAによる診断に比べて、高グレードのがんをよりよく区別した(0.777 vs 0.720、P=0.002)。例として、あるカットオフ値によって、検査パネルを使うことにより1,000件あたり236件の生検を減らし、208件中195件(94%)の高グレードのがんを検出し、208件中13件については診断を遅らせることになると見積もられた。

新しいモデルによる予測で、年齢とPSAによる予測よりも高い精度で、高グレードのがんを見分けられました

この方法で予測することにより、生検1,000件のうち236件を減らしたとしても、高グレードのがんのうち94%は見逃すことなく正しく検出できると計算されました。

 

がんを見つけ出す検査の意義は最近しばしば議論され、検査のより適切な利用法が探られています。こうした試みが、全体としての結果の改善に結び付いていくかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A Four-kallikrein Panel Predicts High-grade Cancer on Biopsy: Independent Validation in a Community Cohort.

Eur Urol. 2015 May 12 [Epub ahead of print]

[PMID: 25979570]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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