2015.07.23 | ニュース

抗がん剤の副作用を抑える軟膏、手足症候群の予防に効果は?

ドイツ152人のランダム化試験
from Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology
抗がん剤の副作用を抑える軟膏、手足症候群の予防に効果は?の写真
(C) Miriam Dörr - Fotolia.com

抗がん剤の副作用として比較的多いもののひとつに、手のひら・足の裏に腫れや痛みの症状が現れる手足症候群があります。この予防に新薬の軟膏の効果を試したところ、比較した尿素クリームを使ったほうが手足症候群が少ないという結果が出ました。

◆カペシタビンで治療中の人が対象

研究班は、手足症候群を起こすことが多いとされる抗がん剤「カペシタビン」を使っている胃がん大腸がん乳がんなどのがん患者を対象としました。対象者はランダムに尿素クリームを使うグループ(尿素群)と、新薬である軟膏「マピサル」を使うグループ(新薬軟膏群)に分けられ、手足症候群が起こる割合を比較されました。

 

◆尿素のほうが効いた

試験から次の結果が得られました。

全体で152人の患者のうち47人(30.9%)、新薬軟膏群の39.5%、尿素群の22.4%に手足症候群が起こった(層別オッズ比2.37、P=0.02)。

2群あわせて152人の参加者のうちで、尿素群のほうが新薬軟膏群よりも手足症候群が少なくなっていました

研究班は、「この試験は、カペシタビン治療の最初の6週間にわたって手足症候群を防ぐことについて、10%尿素クリームが新薬軟膏よりも優れていることを示した」と結論しています。

 

新薬の効果を示す結果にはなりませんでした。すでによく使われている尿素クリームは、保湿によって手足症候群を予防・治療できると言われています。手足症候群は重症では物をつかめなくなったり、歩くことが難しくなることがあり、さらに効果の高い治療法が待たれています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Mapisal Versus Urea Cream as Prophylaxis for Capecitabine-Associated Hand-Foot Syndrome: A Randomized Phase III Trial of the AIO Quality of Life Working Group.

J Clin Oncol. 2015 Jun 29 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26124485]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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