◆10本のランダム化比較試験を統合し、その効果を検証
今回の研究では、てんかん患者を対象とした深部脳刺激法または大脳皮質刺激法の効果を、偽刺激、手術、抗てんかん薬の効果と比較して検証しているランダム化比較試験の論文10本を統合しました。
◆視床前部への深部脳刺激、てんかん時に反応した部位への刺激、開始部位への刺激、海馬への深部脳刺激が発作回数の減少に有効
調査の結果、以下のことを報告しました。
[...]、発作の回数が統計的に有意に減少したのは、視床前部への深部脳刺激(偽刺激と比較して、-17.4%;95%信頼区間 -32.1 to -1.0;エビデンスの質は高い)、てんかん時に反応した部位への刺激(-24.9%;95%信頼区間 -40.1 to 6.0;エビデンスの質は高い)、海馬への深部脳刺激(-28.1%;95%信頼区間 -34.1 to -22.2;エビデンスの質は中等度)であった。
脳への深部刺激や脳の表面に近い部分への電気刺激により、てんかん発作の回数は減少したという結果でした。
筆者らは、「非侵襲的な頭蓋内神経刺激治療の効果および安全性を評価し、活用するためには、より大規模で良質な研究デザインで行われたランダム化比較試験が必要だ」と述べています。
てんかん発作のコントロールは薬でも手術でも難しい場合があります。深部脳刺激法についてさらに検証が進むことで、治療選択肢のひとつになるかもしれませんね。
執筆者
Deep brain and cortical stimulation for epilepsy.
Cochrane Database Syst Rev. 2014 Jun 17
[PMID: 24937707]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。