2015.07.20 | ニュース
いぼかと思ったら皮膚がんだった!尋常性疣贅と似ていた悪性黒色腫
イタリア78歳男性の症例報告
from Plastic and reconstructive surgery. Global open

(C) Samu - Fotolia.com
皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)は特徴のある見た目から見つかることが多いですが、典型的でない外見のものもあります。イタリアの研究班から、いぼ(尋常性疣贅)と思われて治療されていた悪性黒色腫の例が報告されました。
◆治療しても治らなかった
78歳の男性が、左手の親指の先にできて数か月で大きくなった病変のため受診しました。この病変は、尋常性疣贅と見られて凍結療法で治療されていましたが改善せず、その間も大きくなっていました。病変は指の先から爪の下に広がり、その結果爪が剥がれました。
◆指を切り取る手術
組織を切り取って観察する検査を行った結果、末端黒子型黒色腫というタイプの悪性黒色腫と診断されました。親指の先を骨ごと切り取る手術が行われ、1年後の時点で再発はありませんでした。
悪性黒色腫が尋常性疣贅と間違われる例はまれですが、診断にはこうした場合も皮膚科の医師の頭の中には入っているのでしょう。診断とは本当に難しく奥深いものなのでしょう。
執筆者
参考文献
Hyperkeratotic acral melanoma mimicking a common wart.
Plast Reconstr Surg Glob Open. 2015 May 7
[PMID: 25973355]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。