◆急に大きくなった粉瘤
粉瘤は普通、大きさ数mmから数cmの半球状のこぶのようなものとして現れます。
この50代の男性は、左肩に以前からあった袋状の病変が、最近数か月で急に大きくなったことで受診しました。病変の様子から、粉瘤である可能性が大きいと見られましたが、急に大きくなったことからほかの病気である可能性が疑われ、手術で切り取られたうえ、顕微鏡で観察する検査が行われました。
◆粉瘤の中に基底細胞がんがあった
検査の結果、切り取られた組織には粉瘤がありましたが、粉瘤の中にできた基底細胞がんが大きくなって、大きさ35mmほどの袋状の構造の大部分を占めていました。
研究班は「[...]この症例は、進行性の成長が見られた場合、たとえ嚢胞が臨床上は良性のように見えたときでも、適切な外科的切除と組織病理学的評価が促されるべきであることを示す」と述べています。
粉瘤の中にできる皮膚がんはまれですが、がんの特徴のひとつが、急に大きくなることです。気になることがあったときには医師に相談しましょう。
執筆者
Basal cell carcinoma arising from an epidermal cyst: when a cyst is not a cyst.
Case Rep Dermatol. 2015 Apr 28
[PMID: 26034477]
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