◆全力で短い時間泳ぐ群(HIT群)、長い時間泳ぐ群(MOD群)、対照群にランダムに振り分け
今回の研究は、普段から座る時間が長い、軽度の高血圧症女性62名をHIT群、MOD群、対照群の3群にランダムに振り分け、以下の方法で実施しました。
HIT群は、2分間の休憩を挟み、30秒間、6-10セット、全力で水泳を行うことを、MOD群は、無理のないペースで続けて1時間泳ぐことを、それぞれ44 ± 1、43 ± 1セッション、15週間かけて実施した。
短い時間を複数回全力で泳ぐ群と、無理のないペースで長く泳ぐ群、何もしない群にランダム振り分け、効果を検証しました。
◆全力で短時間泳いでも、無理のないペースで長時間泳いでも効果は同等
調査の結果、以下のことを報告しました。
収縮期血圧は、HIT群で6±1mmHg、MOD群で4 ± 1 mmHg減少した(p<0.05)。
安静時心拍数は、HIT群、MOD群の両方で5 ± 1 bpmの減少が認められ(p<0.05)、脂肪量はそれぞれ1.1 ± 0.2、2.2 ± 0.3 kgと減少した(p<0.05)。
一方で、血液脂質プロファイルは変化が見られなかった。
全力で泳いでも、無理のないペースで泳いでも、血圧、安静時心拍数を下げるという結果でした。 全力で短い時間、短い距離泳いだ場合と、無理のないペースで長時間、長距離泳いだ場合には、効果に統計的な差は認められませんでした。
この結果をうけて筆者らは、「座りがちな軽度高血圧症の女性では、高強度の断続的な水泳は、心血管系の健康および身体機能を改善する効果的なトレーニング戦略である。泳ぐ時間、距離は高強度群でかなり短いにも関わらず、高強度と低強度のトレーニンスは類似した結果であった」と述べています。
ゆっくり長時間泳ぐか、短時間で短い距離を泳ぐか、同じくらいの効果であれば、どちらが良いかは人によって異なりそうですね。健康のため水泳をしたい方には参考になるかもしれません。
執筆者
High-intensity intermittent swimming improves cardiovascular health status for women with mild hypertension.
Biomed Res Int. 2014
[PMID: 24812628]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。