2015.07.20 | ニュース

妊娠中の亜鉛不足に、亜鉛補充で死産・早産減少

エジプト657人のランダム化試験
from The British journal of nutrition
妊娠中の亜鉛不足に、亜鉛補充で死産・早産減少の写真
(C) settaphan - Fotolia.com

妊娠中の栄養不足はさまざまな面で子どもに及ぼすと考えられています。エジプトで亜鉛不足の妊婦が亜鉛のサプリメントを飲んだときの効果を調べる研究が行われ、亜鉛を補充した人では死産や早産が少なかったという結果が出ました。

◆亜鉛不足の女性が対象

この研究は次の基準に合う人を対象としました。

健康な20歳から45歳の妊婦で、血清亜鉛レベルが妊娠期間に対して推定された中央値よりも低い人をこの試験に採用可能とした。

20歳から45歳の健康な妊娠中の女性で、血液中の亜鉛が比較的少ない人657人が対象となりました。対象者は亜鉛の補充だけを受けるグループ(亜鉛単独群、225人)、亜鉛とマルチビタミンの補充を受けるグループ(複合群、227人)、偽薬を飲むグループ(対照群、223人)にランダムに分けられました。

 

◆死産・早産が減少

次の結果が得られました。

単独でまたは複合での亜鉛補充は、ほぼ同程度に、妊娠第2期または第3期での合併症を減らす効果があった(亜鉛単独群で相対リスク0.43、95%信頼区間0.31-0.60、複合群で相対リスク0.54、95%信頼区間0.40-0.73)。死産、早産は偽薬群に比べて亜鉛補充のあった2群で有意に少なかった(P=0.001)。新生児早期での罹患率もまた、亜鉛を補充した群で有意に少なかった(亜鉛単独群で相対リスク0.23、95%信頼区間0.15-0.35、複合群で相対リスク0.25、95%信頼区間0.16-0.37)。

亜鉛を補充した亜鉛単独群と複合群でともに、妊娠合併症が少なく、死産・早産が少なく、新生児早期の異常が少なくなっていました

研究班は「まとめると、この研究に参加した亜鉛不足の女性のうちで、亜鉛補充は妊娠合併症と早期の新生児感染症を減らすことにおいて有効だった」と述べています。

 

この研究はもともと亜鉛不足と見られた人を対象にしているため、対象者が全体として栄養状態の悪い集団だった可能性が考えられます。したがって、亜鉛不足以外には健康な人にも同じ程度の違いがあるかは厳密には推論できません。しかし、この研究のほかにも、妊娠中の亜鉛不足は低出生体重などと関連するとも言われています。

ほかの栄養素と同様、亜鉛も多く摂ればよいというものではありませんが、妊娠中もバランスの良い栄養が大切です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

The effect of zinc supplementation on pregnancy outcomes: a double-blind, randomised controlled trial, Egypt.

Br J Nutr. 2015 Jun 23 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26099195]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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