妊娠中に毎日ファストフードを食べた人では、子どもの喘息が多かった
ファストフードが喘息やアレルギーに悪い影響を与えるという説があります。特に妊娠中の母親の食事が子どもに影響するのではないかという観点から、アメリカの母子を対象にした研究が行われ、母親が妊娠中に毎日ファストフードを食べていた場合、子どもの重症の喘息が多かったことが報告されました。
◆1,201組の母子を調査
研究班は、ロサンゼルスの1,201組の母子を対象として、妊娠時のファストフード摂取量を出生後に聞き取り、子どもが生後3.5年時点での喘息および鼻炎と関連があるかどうかを統計解析しました。
◆毎日食べると喘息増加
解析から次の結果が得られました。
母親の出生前のファストフード消費は子どもの現在の重症喘息症状(直前12か月間の
喘鳴 および医師の診断に基づく)のリスクを用量依存的に増加させ、潜在的交絡因子を調整したのち、「まったく食べない」場合に比べて[...]「毎日食べる」場合にリスク比4.46(95%信頼区間1.36-14.6)となった(トレンドに対してP=0.0025)。
母親が出生前に毎日ファストフードを食べていたと答えた場合、子どもに重症の喘息症状があることが多くなっていました。ファストフードを食べていた頻度が高いほど、子どもの重症喘息のリスクが大きい傾向がありました。
研究班は「これらの結果は、母親の食事によるファストフードへの子宮内での頻繁な曝露が、若齢の子どもにおいて喘息症状
この研究の方法では、母親がファストフードを食べた背景に未知の要因があり、その要因が子どもの喘息に影響した可能性も否定できません。ファストフードと喘息の関係はこの結果だけから確かとは言えませんが、ほかの面から見ると、妊娠中の母親の肥満や栄養状態が子どもに影響するという説もあり、また妊娠中は妊娠糖尿病のリスクがあります。妊娠中の食事を考える上でひとつの要素として参考になるかもしれません。
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執筆者
Fast Food Consumption in Pregnancy and Subsequent Asthma Symptoms in Young Children.
Pediatr Allergy Immunol. 2015 Jun 24 [Epub ahead of print]
[PMID: 26109272]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。