2015.06.12 | ニュース

手術ができない皮膚がん、ビスモデギブで6割に効果あり

長期追跡研究の経過報告
from The Lancet. Oncology
手術ができない皮膚がん、ビスモデギブで6割に効果ありの写真
(C) Vladimir Mucibabic - Fotolia.com

皮膚がんの一種である基底細胞がんは、良い経過をたどることが多いものですが、まれに進行がんになったり、ほかの臓器に転移することもあり、その場合は死亡率が高くなります。手術ができない場合の唯一の治療薬としてビスモデギブが最近登場し、長期的な効果と安全性の研究が継続中です。中間報告として、60%以上の人にがんが小さくなるなどの効果があり、副作用の可能性がある症状も軽いものが多かったことが示されました。

◆手術不能な進行基底細胞がんを対象に

研究班は、18歳以上で全身の状態がよく、進行した基底細胞がんがあり、手術ができなかった人1,227人を対象としてビスモデギブの治療を行い、経過を長期追跡しています。この報告はそのうち追跡期間が1年以上に達した人の様子をまとめたものです。

 

◆転移がない場合は66.7%に効果あり

ビスモデギブは副作用の疑いなどから中止された場合もあり、実際にはおよそ18週間から62週間程度(中央値36.4週間)にわたって使われました。

治療は400人(80%)の患者において中止された。うち180人(36%)には有害事象があり、79人(14%)には病状の進行があり、51人(10%)は治療中止を希望した。ビスモデギブ曝露の持続期間は中央値36.4週間(四分位間範囲17.7-62.0)だった。

安全性について次の結果が得られました。

ほとんどの有害事象はグレード1または2だった。深刻な有害事象は499人中108人(22%)に起こった。死亡した31人のうち、21人は有害事象の結果だった。

副作用の可能性がある症状の発生などの出来事は、ほとんどが比較的軽度のものでした。深刻なものは1回でもビスモデギブを使った499人のうち22%に起こりました。追跡中に死亡した人は31人で、そのうち副作用の可能性がある出来事による死亡は21人でした。

効果については次の結果が得られました。

研究メンバーが評価したところでは、局所進行基底細胞癌があった453人中302人(66.7%、62.1-71.0)に奏功が認められた(153人が完全奏功、149人が部分奏功)。転移のある基底細胞癌があった29人の患者のうち11人(37.9%、20.7-57.7)に奏功が認められた(完全奏功が2人、部分奏功が9人)。

もともと転移がなかった人453人のうち、153人でがんが消え、組織を切り取る検査をしてもがん細胞が見つからなくなりました。がんが小さくなるなどの効果があった人は453人中302人(66.7%)でした転移があった29人のうち11人に効果が認められました

 

進行した基底細胞がんは非常にまれですが、死亡につながることも多いものです。ビスモデギブ以前の研究では、転移がある場合は診断からの生存期間が中央値54か月という結果が出ています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24412051

ビスモデギブの治療開始後1年あまりの死亡者数が499人中31人という結果を正確に評価するには別の研究が必要ですが、がん細胞が根絶されたように見える人が150人以上いる点は、全体として生存期間が延びたかどうかとは別の観点からも、重要な成果と言えるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Vismodegib in patients with advanced basal cell carcinoma (STEVIE): a pre-planned interim analysis of an international, open-label trial.

Lancet Oncol. 2015 May 13 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 25981813]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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