早産を経験した女性は心血管疾患のリスクが高い!?
自然早産はその後の心血管疾患と関連するという報告が増えてきているようです。ひとつひとつの論文から、その関連性を解釈するには限界があるため、今回の研究ではシステマティックレビューとメタ解析という手法を用いて、過去の複数の研究を比較検証しています。その結果は、自然早産を経験した女性が、その後に虚血性心疾患、脳卒中、心血管疾患を発症する高いリスクを持つ、というものでした。
◆1966-2014年の先行研究を網羅的に調査
今回の研究では、 過去の文献が集約されているデータベースをルールに沿って検索し、抽出された複数の研究について、自然
◆自然早産は心血管疾患のリスクを高める因子であるかもしれない
文献調査の結果、以下のことがわかりました。
10のコホート研究が抽出され、その対象者数は3,706-923,686名、追跡期間は12-35年の幅があった。
自然早産は、虚血性心疾患(ハザード比1.38、95%信頼区間1.22-1.57)、脳卒中(ハザード比1.71、95%信頼区間1.53-1.91)、すべての心血管疾患(ハザード比2.01、95%信頼区間1.52-2.65)の
発症 またはそれによる死亡のリスクを増大させた。
自然早産を経験した女性は、その後に虚血性心疾患、脳卒中、すべての心血管系疾患となるリスクが、正常分娩であった女性と比べて、それぞれ約1.4倍、約1.7倍、約2倍であるという結果でした。
筆者らは、「自然早産は、これまでに考えられている高血圧や脂質異常とほとんど同程度に強い、心血管疾患の
自然早産と心血管疾患のリスクの関係についてまだはっきりしていませんが、血管を介した関連や血管作用をもつ分子の関連などが推測できます。今後のさらなる解明が待たれますね。
執筆者
Cardiovascular disease risk in women with a history of spontaneous preterm delivery: A systematic review and meta-analysis.
Eur J Prev Cardiol. 2015 Feb 9
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。